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奈良大学文学部史学科の2024年度優秀論文に谷川陽香さんの卒業論文「足利義輝論―幕府権力再生政策における大名間調停の役割―」が選ばれました。学位授与式に表彰状が授与されました。

2024年度の優秀論文は1人。

谷川陽香さんの卒業論文「足利義輝論―幕府権力再生政策における大名間調停の役割―」が選ばれました。

おめでとうございます。

学位授与式に表彰状が授与されました。

以下に主査の外岡愼一郎先生の講評を掲載します。

【講評】

 本論文は、おもに永禄年間に室町将軍足利義輝によって進められた諸国大名間の紛争調停が、これと連動する栄典授与、これらに付随する金銭収入によって将軍権威の高揚と幕府財政安定化をもたらしたこと、またこのことが、当主の死を契機に危機意識を強めた三好一族による義輝暗殺に繋がったことを論証することを目的に作成された。

谷川は、これら義輝の動きについては先行研究も少なからずあり、その様相も具体的に明らかにされているが、義輝の実践が将軍権威の高揚を実現したかという点については、積極的にとらえる見解と、消極的にとらえる見解に分かれているとして、再度関係史料を読み込み、確かな論証手続きによって所期の目的を果たしている。

 結論に際立つ新規性は認められないが、調停の実働を担う人材の分析や、三好氏との権力闘争を意識しながら周到に進められた調停の過程をしっかりとした澱みのない文脈で表現しており、優秀論文の栄誉を授与するにふさわしい。

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